深まる秋 深蒸し茶の秋
人々から受け継がれ、愛されるお茶
春から初夏の新茶シーズン、そして夏の冷茶を過ぎて、再び熱いお茶がおいしく感じる季節、国内最大の茶どころ静岡では「秋摘み茶」などの、秋ならではのお茶や、新茶の季節や夏の時期からのお茶まで、いろいろな種類の茶葉が出そろいます。牧之原台地で収穫したやぶ北品種を、じっくり蒸した「深蒸し茶」は、緑茶本来の渋みや色を抽出した味わい深く、それゆえ身体にもよい成分を摂取できると言われ大変注目を浴びています。牧之原大茶園が開墾された古くから、茶業に従事する人の多い御前崎市周辺では、そうした緑茶の味や飲み方への工夫も多い土地でもありました。
注目を浴びる「深蒸し茶」と、新品種「つゆひかり」
冬でもめったに雪が降らない御前崎地域は、お茶にとって生育しやすく、また「遠州のからっ風」と呼ばれる偏西風は、新芽の育成に致命的な「霜」の発生も防いでくれます。暖かな環境で育ったお茶は、その地元の茶商の手によってこだわりの味に磨きをかけるのです。御前崎市を中心に、近年は新品種「つゆひかり」の普及にも力を入れています。温暖な気候を利用し、静岡県内でもいちばん早い茶摘みにより、新鮮でさわやかな味わいの新ブランドとして、茶葉はもちろん、ペットボトルや粉末茶としても販売され、地元ではすっかりおなじみとなっています。
いろいろなお茶の魅力を伝える「売茶坊 まるよ」
御前崎市の西エリア・門屋(かどや)地区にある『売茶坊 まるよ』は、地元を中心にいろいろなお茶や茶器を扱う専門店。駐車場を挟んだ隣には、自社製茶工場も完備し、常に最高品質のお茶を提供しています。まるよの赤堀譲治社長は「雪の無い御前崎にドライブ方々来ていただいて、ご自分のなっとくの味をじっくり選んでほしいですね」と話していただきました。お店には、御前崎や各産地のお茶、冬にありがたい「生姜茶」や花粉症によいといわれる「べにふうき」、そして風邪対策に「うがい茶」などもあります。この時期から年明け頃まで数量限定で販売される「お茶屋の落花生」も人気です。冬の寒さを忘れさせてくれる一服をぜひどうぞ。