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お茶の醍醐味は深蒸しにあり。

日本茶の愛称で呼ばれ、その名のとおり日本を代表する飲み物「お茶」。日本一の生産量を誇るお茶処静岡県。
牧之原台地の南端を有する御前崎も、お茶の名産地としてがんばっています。「シズモノ」第4弾は、御前崎
の銘茶「御前崎深蒸し茶」のご紹介です。
 お茶の特産地・御前崎市は、近隣の地域とともに古くから日本茶の歴史と文化を育ててきました。
 観光地の灯台や港の印象から、海の街としてのイメージが強い御前崎市ですが、北に牧之原台地の山を背負う旧浜岡町地区は、平均気温15度以上と寒暖の差が少なく、年間2千ミリを越える豊富な降雨量により、お茶の栽培に最も適した地域として古くから国内の茶業の発展を支え今日に至っています。  事実、明治時代からの茶園事業において、旧浜岡町の池新田、朝比奈、新野、比木の4地区は「牧之原浜岡地区」と呼ばれ、江戸時代までの自家用、副業栽培から本格的な栽培事業に転換したのです。
 明治3年、当地の豪農・丸尾文六は私財を投じ開墾事業で朝比奈村に茶園を造りました。この実積から役所の要請があり、大井川の川越人夫たちの失業対策に大茶園の造成に着手しました。未経験の人夫たちによる開墾は大変困難な事業でしたが、努力の結果現在の大茶園を築くまでに至ったのです。  「深蒸し茶」は生茶を煎茶にする「蒸し」の時間を1分から3分と通常の約3倍にすることで成分を多く滲出でき、濃くまろやかな味わいが楽しめます。心血を注ぎ築かれた大茶園、そして静岡茶の文化。お茶本来の味「深蒸し茶」は先人たちのこうした苦労に対し、茶葉の一欠片までもムダにできないと感じた思いからできた製法なのかもしれません。
 池新田地区、「ながしま茶園(さえん)」は、二代目店主の慰代さんと義理の妹・則子さんで営む白い壁が目印のお茶屋さん。丸尾文六翁の記念館から同じ通り沿いを南にクルマで約3分の場所にあります。  
 お茶の定番「やぶ北茶」から初めて独立して生まれた新品種「つゆひかり」もいま話題のお茶。「お茶のお供に『つゆひかりラスク』がお薦めですよ」と慰代さん。ながしま茶園で販売中です。
 今年の新茶も佳境(6月中旬まで)ですが御前崎の深蒸し茶は、夏は爽やかな冷茶で、9月中旬からは新茶の再来と好評な「秋摘み茶」、迎える冬にはコクが増した暖かいお茶をじっくり味わえます。海辺から市街地に足をのばし、四季折々のお茶で「ほっ」と一息ついてみてはいかがでしょう。